A FILM KANTA
高校を出て、ひとりで海を渡った。
アメリカで五年。そして僕は、帰ってきた。

空港 / 出発ロビー
スーツケースひとつ・逆光

夕暮れのハイウェイ
ヤシ並木・薄明
帰りの便は、まだ決めていなかった。
不安は、期待の、
裏返しだった。
Fear was only hope, turned inside out.

サンディエゴの夕焼け
ヤシの木のシルエット
02-A
02-B
03-A天気がよくて、自然があって、飯がうまくて、人が優しい。──住んでるだけで、人格が変わる街だった。
心が、少しずつ豊かになっていくのがわかった。
数えきれないほどのハンバーガーを、食べた五年だった。
どうでもいい話に思えて、それでも、いちばん体が覚えてる。

緊急病院前のサイン
2020 — 人気のない歩道

やよい軒の定食
誕生日・ひとり
後悔しないように。
孤独とは、自分と
真剣に向き合える、
唯一の時間だ。
Some things, you only see when you're alone.
こんな日常の為だけに、
また帰りたい。
毎日の夕焼け、馴染みの店、他愛ない会話。──宣伝するものなんて何もない、そんな日々に、手放せないほどの愛着が、いつのまにか湧いていた。




馴染むというのは、少しだけ、別の自分になることだった。
つくづく思う。どれだけ英語が話せても、自分が変わらないと、その土地には馴染めない。
外から見て、
初めて気づいた。
久しぶりに帰った日本は、なんでもないことが、ちゃんとしていた。静かで、清潔で、列はまっすぐで。「オワコン」なんかじゃ、なかったんだ。──この小さな驚きが、やがて僕を、本当の帰国へ連れていくことになる。

卒業 / SDSU

帰国時の一枚
東京・最初の朝

新幹線 / 車窓
流れる日本の景色
ビールを奢られた。
もう、ここに永住でいいや。

道端の一枚
見知らぬ人の親切
自分の行いは、
どこかで、
繋がっている。
留学中にホストしてくれた家族が、今も日本人留学生を受け入れているらしい。「カンタをホストしたから、日本人は信用できる」と言ってくれたそうだ。──僕はただ、皿洗いと子守を手伝っていただけなのに。
やっぱり、
日本がいい。
「絶対アメリカ移住する」と言い続けていた、留学時代。でも、英語が上達して文化が分かるほど、マイノリティとして越えられない壁にも気づいた。世界を渡り歩いて、いま断言できる。──日本みたいな国は、ひとつもない。
今度は、
伝える番だ。
From Japan, to the world.
もっと多くの日本人に、胸を張って世界へ羽ばたいてほしい。その一心で、僕はいま、次の場所に立っている。

HACHIDORI 代表
大事なのは、
やっぱり“マインド”。
浅野忠信さんに英語を教えていて、確信した。完璧な文法や、ネイティブ並みの発音より——臆さず自己表現すること。自分の意見を持って、伝える力。それこそが、本質的な英語力なんだ。
英語を止めているのは、
“嘲笑文化”だ。
「日本の英語教育はレベルが低い」と、みんな言う。でも本当の原因は、間違いを笑う空気のほうだ。つくづく思う。──他人の英語をバカにする人間は、タバコよりも、よっぽど害がある。
カタコトでいい。
堂々と話そう。
間違いを恐れる完璧主義では、いつまでも話せない。そもそも“完璧”なんて、どこにも存在しないんだ。必要なのは、度胸と、ちょっとの図々しさと、マインドセット。中学英語を極めれば、十分。──日本の英語教育は、本当はレベルが高い。

生徒と
01
02
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06事業の裏側には、いつも仲間がいた。
焼肉も、居酒屋も、ときに現場も。同じ熱量で日本の英語教育を変えようとする、十数名の人間で動いている。
英語を武器に、
日本から世界へ。
Mind over perfection.
もっと多くの日本人が、胸を張って世界に羽ばたいていけるように。その一心で、地道に。
これから

東京駅 / 東京の日常
夕方の光
中央駅を思い出す。世界を見てきた目で、
いま、この街を歩いている。
遊びより、仕事に打ち込む今のほうが、
人生が楽しい。
ヨーロッパで、ほぼ毎晩パーティしていた頃よりも、ずっと。──遊びは、自分にしかベクトルが向かないから、いつか飽きる。仕事は、違うんだ。
BALI
TAIPEI
CROATIAそれでも、また旅に出る。
バリ島の居心地に沼り、台湾には定期的に。クロアチアは「死ぬまでに一度は」と誰にでも言う。根っこはずっと、世界を歩く人間のままだ。
一度きりの、
人生だから。
自分と、周りの大事な人にだけ、時間を使う。仕事も遊びも、本気の一年にする。老後の幸せを呑気に待つより——メリハリをつけて、今を、全力で生きる。
次は、
渡していく番。
「夢のために、お金を貯めてるんです」と言う Uber Eats の兄ちゃんに、飯代の二倍をチップした。その純粋な表情に、不覚にも泣きそうになった。──次の世代に、良いものを、繋いでいきたい。
今日が、
一番若い。
It's never too late.
何かを始めるなら、早いほどいい。英語は、人生を変える。どこからでも、逆転できる。──そういう人を、たくさん見てきたし、これからも、生み出していく。
ここまで観てくれて、ありがとう。
最後に——本人と、話してみる?
Talk with Kanta
ここからは、あなたの番。
映画を観終えた人が、スクリーンの中の人物に、そのまま話しかける。
──「観る」を、「話す」に。
分身との対話 / TOKYO 2026
旅立ち · アメリカの五年 · 本帰国 · HACHIDORI · いま、そしてこれから · Talk with Kanta
FILMED IN
SEATTLE · SAN DIEGO — TOKYO
2017 – 2026
運が回ってくる。
